軟水器事業

硬水が洗浄に及ぼす影響


ランドリーに用いる用水の硬度が高いと洗浄にいろんな弊害が出ます。
この硬度成分の影響についてまとめてみました。

硬度成分の影響
 
硬度成分はいろいろな物に悪影響をあたえます。
リネンなどの品物に吸着して悪影響を与える場合、
機械に影響を与える場合、洗浄に影響を与える場合があります。

品  物 機  械 洗  浄
無機質付着による風合い変化
耐洗回数の減少
柔軟剤、加工剤の吸着阻害
スケールの形成 石鹸の消費
洗浄性の低下
クスミ、再汚染
ロール滑り悪化
コテ表面のスケール生成
加工剤の消費
熱効率の低下
パイプの詰まり
機械のキシミ
スケール脱落によるシミ発生
温度計の誤作動
石鹸浪費、石鹸かすの生成
珪酸塩、炭酸塩の沈殿
硬度成分と汚れのクッツキ


洗浄に及ぼす影響
 
洗浄に及ぼす影響は上記の通りですが、さらに詳しく述べてみます。

(1)石鹸の場合
石鹸は脂肪酸ナトリウム、カリウムが主でありこれらの塩は水に溶解します。
そこにカルシウムが存在しますと脂肪酸はカルシウムと結び付き脂肪酸カルシウムとなり不溶性になります。
脂肪酸カルシウムも塩ではありますが、イオン的に脂肪酸とカルシウムの結びつきが強固であり、
水中でイオン乖離しないため溶解しません。
このカルシウム石鹸は金属石鹸と呼ばれ、水は勿論、油にも非常に溶けにくくスカムとなり品物に付き灰色化、風合い変化をもたらします。
お風呂で使用するタオルが硬くなったり、撥水を持ったりするのはこの金属石鹸の影響です。
また金属石鹸は防水剤の原料としても使用されるものです。

(例)100ppm硬水が1Lあるとしますと石鹸の消費量は次のようになります。
 オレイン酸石鹸 +カルシウム=オレイン酸カルシウム(金属石鹸、浪費)
  2C17H33COONa+CaCO3=(C17H33COO)2Ca+Na2CO3
    (分子量604) (分子量100)
分子量計算でオレイン酸石鹸が604mg(0.6g)浪費されることになります。
20kg水洗機ですと洗浄水が80Lですので純石鹸分として48g浪費されることになります。 


(2)合成洗剤の場合
合成洗剤は石鹸のようにカルシウムと強固にはくっつきはしません。
アニオン活性剤はカルシウムと結びつき一部不溶性になりますが、ノニオン活性剤はカルシウムと結びつかずに洗剤分の消費はありません。
但し、硬度成分を汚れとして捕らまえるため、その意味からは洗浄の負担となります。

(LASの場合)
2R−― SO3Na + CaCO3 = (R−−SO3)2Ca+Na2CO3
このように不溶性になりますと洗浄性を発揮しませんが、カルシウムとの結合は強くなく、比較的発生しにくいのです。

(3)ビルダーへの影響

洗剤と併用するビルダーは次のようなものがありカルシウムとの影響は以下のようになります。

珪酸塩 メタ珪酸ソーダ 珪酸カルシウムを生成し不溶性になる。
風合いが硬くなり、スケールの形成、ロール滑りが悪くなる。
炭酸塩 ソーダ灰 炭酸カルシウムを生成し不溶性になる。
珪酸カルシウムほど硬くはないが、風合いが硬くなる。
スケールは形成しにくい。
燐酸塩 トリポリ燐酸ソーダ 硬度成分をキャッチする。
硬水にはよい方向に働く。
アルミ珪酸 ゼオライト 水中の硬度成分をイオン交換し軟水化を行う。
キレート剤 NTA
EDTA
水中の硬度成分を分子内に結合させ、不溶物を作らせない。
配合は非常に効果あり。

上記のように珪酸塩、炭酸塩は不溶性になり、悪影響を与えます。しかし燐酸塩、アルミ珪酸、キレート剤は硬度成分に有効に働き、硬度成分の多い水には高い効果を与えます。


(4)金属イオンの再汚染について

水中では汚れ粒子、被洗物いずれもマイナス(−)荷電を帯びています。そこに金属イオン(Ca++)がありますと汚れとCa++が結びつきます。更に繊維とも結びつき、繊維上に汚れを吸着させることになります。
丁度Ca++は結合の手が2本あり、1本を汚れ,1本を繊維に結び付けます。橋渡しになる為、カチオンブリッジと呼ばれています。



硬度の洗浄性に与える影響
 
汚染布を用いて硬度と洗浄性の関係を調べました。結果は下記グラフの通りです。

(1)洗浄条件

 洗 浄 機 : ターゴトメーター 100rpm
 洗  剤 : 非イオン粉末洗剤(キレート剤なし、有りの2種類)
 濃  度 : 0.1%,メタ珪酸ソーダ9水塩 0.05%併用
  時間、温度: 15分、60℃

(2)洗浄結果


 
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